日本で親しまれている「とんかつ」ですが、西洋の料理に近いと感じたことはありませんか?
定食の定番として用意されるとんかつは、多くの場合にお味噌汁やお漬物がセットになっています。
和食とあわせて食べなれているため、和食のように感じる人も多いはず。
しかし実は、とんかつの起源は西洋の料理です。
そもそも、とんかつができたのはたった100年ほど前のこと。
なかなか新しい料理なのです。
この記事では、とんかつの起源やとんかつの楽しみ方について、ご紹介します。
とんかつは日本食じゃないって本当?起源はフランス料理
とんかつの起源はフランス料理のcôtelette(コートレット)と呼ばれる料理です。
コートレットとは、スライスされた仔牛の肉に小さなパン粉と卵黄をつけてバターで両面を炒めるように焼く料理のことでした。
それを日本の洋食店「煉瓦亭(れんがてい)」二代目である木田元二郎氏が独自に開発をして作り上げたのが「とんかつ」です。
さかのぼること1899年、かつての日本人にはバターの味が好まれず、コートレットのままでは普及しませんでした。
そこで、仔牛と比べよりあっさりとした豚肉を天ぷらのように揚げ、ウスターソースをかけて食べる「ポークカツレツ」が生まれたのです。
キャベツの千切りを添えるのは、当時の日露戦争により料理人不足の状況下での発想だったとか。
一般的な西洋の料理には温かい野菜を添えることが多いため、生野菜を添えるというのは斬新なアイディアだったことがわかります。
これは当時「カツレツ」と呼ばれる料理として人気を集めました。
カツレツがとんかつへと形を変える
カツレツは、ナイフとフォークを使って自分で切って食べるものでした。
そしてカツレツが作られてから10年ほどたった頃、考案者である島田氏が務めていた「ポンチ軒」にて「箸で食べられるカツレツ」が生み出されました。
厚みを火の通りの良い2.5~3センチに改良し、あらかじめ食べやすい大きさに切って提供しました。
こうして、ナイフとフォークを使うときに手元を汚してしまうという問題を解決しました。
このときに、味噌汁と白米を一緒に提供する定食スタイルが出来上がったのです。
とんかつができる前に食べ方が工夫された
実は、こうしてとんかつが出来上がる前に、カツカレーやカツ丼などの料理が考案されていました。
カレーライスとカツを一緒に楽しめるカツカレーや、冷めてしまったとんかつを利用して美味しく作り直せるカツ丼は、現代でも不動の人気を誇っています。
皆さんは、とんかつをどうやって食べるのがお好みでしょうか。